話し手にとって良い聞き手というのは、どのような存在だろうか。それを学びたいと思い、この本を手に取った。
この本は理論という名がついているけれども、実際は聞き手のあり方や心がけについて述べられている。
著者は「聞く」と「聴く」の違いについて明確に分けている。「聞く」というのは自然に耳に入ってくること。例えば小鳥のさえずりやだれかのつぶやきといったもの。もう一つの「聴く」というのは相手に意識を傾けること。聴くことは、訓練することで身につけられる力であるということ。
また言葉は、それが同じ言葉でも、人によって意味合いが違うため、文脈によって大きく意味が変わるということ。そのために語る人がどのような考えを持っているのか、中心となる考えを捉えることが大切であるということが述べられていた。
私たちが使う言葉は、それそのものが人間の創意工夫のたまもの。ゆたかな言葉がきっとゆたかな人生をつくるのだろうと感じた。