ふるえる詩– category –
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【読書録】詩集・いのちの芽(大江満雄編)
「いのちの芽」という詩集を読んでいました。ハンセン病患者たちがうたった詩を、詩人の大江満雄さん(1906~91)が編集した本です。ハンセン病はかつて「癩病」と呼ばれ不治の病とされていました。死の恐怖と隣り合わせの人たちが何を思い、何を言葉にし... -
【五行歌】星空のささやき
星空がささやく 原点にかえれ 君の胸にある 切実な叫びを 思い出せ 8月、私は精神面を崩しました。自室のベッドに横たわり、一歩も動けない日を10日間ほど経験しました。実家の九州に帰り、療養することにしました。自然の中で過ごすうち、だんだんと気づ... -
【五行歌】高樹郷子さんの歌
五行歌の詩人、高樹郷子さんの詩に心ふるえました。 最果ての 礼文は 鳥の影もない 雲の 住み処 このひとつの詩だけで礼文に行きたくなりますね。私は19歳の淡い夏が、記憶に蘇ります。 この世に 思い残すことがないほど 燃えてみろ と 落日は 渾身の赤だ... -
【五行歌】夜明けのクラシックコンサート
夜明けの川岸は クラシックコンサート会場 風、虫、鳥、光 生命の音色が こだまする 私の父方の実家は、大分県宇佐市の安心院町にあります。スッポンのすむ川として知られる津房川がそばを流れています。 早朝の川岸で、坐禅しました。朝を告げる虫や鳥の... -
【五行歌】光のさえずり
バンライフ生活を始めました。大分県玖珠川のほとりで一夜を明かしました。午前5時半ごろ東の空が明るみ始め、目覚めの時が始まりました。川沿いで鳥が勢いよくさえずりを響かせています。まるでさえずりそのものが朝の光のように感じられました。 星がひ... -
【五行歌】星のまたたき
星のまたたき闇夜に光る広大無辺の宇宙で存在を訴えるわたしはここにいる 3月初旬、山中湖畔で焚き火をしにいきました。夜更けにコーチの仲間3人と、湖岸に寝転び夜空を見上げました。都会ではみられない小さな星々が闇夜で輝いていました。星のまたたき... -
【五行歌】太陽と海の詩
あかつきの光 波際に座し祈る 太古の声を聴く 私たちはみな 太陽と海の詩 はるか太平洋に向かい弓を射るように突き出た房総半島の犬吠埼。君ヶ浜海岸という白砂の砂浜が2キロに渡って伸びています。朝陽を眺めに行こうと、2月17日夜に向かいました。... -
【心奮い立つ詩③】反対こそ自分をつかむこと〜金子光晴「反対」
私は「空気を読む」という言葉がきらいです。日本人の幼さを感じるからです。空気を読む人は、周りをキョロキョロして、どっしり構えたものが感じられません。個が確立していない人だろうとも思います。私は仕事を通じて、見た目や肩書きばかりがリッパな... -
【心奮い立つ詩 ②】病床からの五行の叫び(岩崎航さん)
岩崎航さんという詩人をご存じでしょうか。病室のベッドの上から五行の詩をよむ40代半ばの方です。3歳のとき筋肉が次第に衰えていく難病の筋ジストロフィーを発症し、人工呼吸器なしには生きられない重度の病と戦い続けています。 もし岩崎さんの姿をお知... -
【心奮い立つ詩 ①】「落ちこぼれ」(茨木のり子)
この【心奮い立つ詩】コラムでは、私のとびきり好きな詩を紹介します。ご自身を、ふと見つめ直すひとときになりましたら幸いです。初回は茨木のり子さんの「落ちこぼれ」です。ご存知の方も多いかもしれません。私もこの詩を愛するひとりです。 落ちこぼれ...
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